岡山の清水白桃と桃太郎ぶどう
岡山の果物といえば、白桃とぶどう。白桃は清水白桃、ブドウはマスカットが代表で永年、王座を占めてきました。ところが、ここ数年でマスカットに代わるブドウが登場、一部の食通の間で幻の高級果物として人気を集めています。それは一体、何でしょう? ピオーネでもなく桃太郎ぶどうといいます。
「果物大国おかやま」で今一番手に入らない果物は桃太郎ぶどう、という事実をご存知だろうか。清水白桃でも、ヤーリー(鴨梨)でもありません。大粒で皮なしで食べれる超高級マスカットなのです。
由来
桃太郎ぶどうは、岡山県内の農業高校の元教師だったブドウの育種家花沢茂さん(岡山市瀬戸町在住)が1979年に新品種として開発。ネオマスカットにロシア原産のグザルカラを交配させたものです。その特徴は、なんといっても大粒で種なしで皮ごと食べられる点にあります。
果物愛好家の間で注目されている桃太郎ぶどう。黄緑色で粒がゴルフボールくらいある大粒で桃のようにスジが入った割れ目があります。形状がユニークなだけでなく、糖度が16から19度と高く、皮が薄いから丸ごとガブリ、と食べれます。果汁が少ないのでシャキ、シャッキとした歯ざわり感は独特。他のブドウの食感とはまったく違います。
桃太郎ぶどうが開発されて今年で30年になります。まだまだ知名度は低く、全国ブランドとはいえません。しかし、10年後にはマスカット、ピオーネを抜いて岡山ブドウの王座に就いてもまったくおかしくありません。
桃太郎ぶどう、と名付けられるまで花沢マスカット(開発者の名前から)、瀬戸ジャイアント(開発者が岡山市瀬戸町在住なのと粒が大きい)候補にあがったそうですが、結局はモモの割れ目に似た形と岡山といえば桃太郎といううことから桃太郎ぶどうと、ネーミングされたそうです。
マスカットの後継
桃太郎ぶどうの将来はバラ色といっていいのだろうか。現在でもマスカット以上の値段で出荷できることから岡山県中南部一帯で栽培面積が年々増加しており、かつてのピオーネのようにやがてはマスカットを抜く勢い。皮ごと食べれるだけでなく、味、糖度、食感は超一流。いまでは、銀座の千疋屋にも並んでなく、直接、栽培農家かネット通販で求めるしかないが、数年後には主要果物店の店頭にお目見えするだろう。
果物王国岡山の復活が叫ばれているおり、岡山県にとって桃太郎ぶどうは復活の切り札になるのだろうか。まだ、地元岡山でも口にする人はごくわずか。開発されて今年で30年になるのを機にネット通販などで1人でも多くの人に食べてもらうことを期待しています。